<> 「たのしみは 春夏秋冬季語に逢ひ 詩歌管絃游びゐるとき」 @歌童 談林風(鬼貫等)

談林1

 上島鬼貫
春の水ところどころに見ゆる哉
春の日や庭に雀の砂あびて
軒うらに去年の蚊うごく桃の花
夕暮は鮎の腹見る川瀬かな
なんとけふの暑さはと石の塵を吹く
そよりともせいで秋立つことかいの
秋風の吹きわたりけり人の顔
行水の捨てどころなきむしのこゑ
によつぽりと秋の空なる富士の山

 椎本才麿
笹折て白魚のたえだえ青し
しら雲を吹盡したる新樹かな
里の子の麥藁(むぎわら)笛や青葉山
猫の子に嗅がれてゐるや蝸牛
五月雨や梅の葉寒き風の色

 池西言水
牛部屋に晝見る草の蛍哉
凩の果はありけり海の音

談林2

 小西來山
白魚やさながらうごく水の色
春雨や降るともしらず牛の目に
春風や堤ごしなる牛のこゑ
春の夢気の違はぬがうらめしい
是ほどの三味線暑し膝の上
秋たつやはじかみ漬もすみきつて
行水も日まぜになりぬむしのこゑ

 井原西鶴
長持に春ぞくれ行く更衣
大晦日定めなき世のさだめ哉

 西山宗因
秋は此の法師すがたの夕べかな
やどれとは御身いかなるひと時雨

 田捨女
雪の朝二の字二の字の下駄のあと

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