<> 「たのしみは 春夏秋冬季語に逢ひ 詩歌管絃游びゐるとき」 @歌童 小倉百人一首

百人一首 1~10

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ
わが衣手は露にぬれつつ     天智天皇

春すぎて夏来にけらし白妙の
衣ほすてふ天の香久山     持統天皇

あしひきの山鳥の尾のしだり尾の
ながながし夜をひとりかも寝む     柿本人麻呂

田子の浦にうち出でて見れば白妙の
富士の高嶺に雪は降りつつ     山部赤人

奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の
声きくときぞ秋はかなしき     猿丸太夫

鵲(かささぎ)の渡せる橋におく霜の
しろきを見れば夜ぞ更けにける     中納言家持

あまの原ふりさけみれば春日なる
三笠の山にいでし月かも     安倍仲麻呂(古今集巻九)

わが庵は都のたつみしかぞ住む
世をうぢ山とひとはいふなり     喜撰法師

花の色はうつりにけりないたづらに
我が身世にふるながめせしまに     小野小町(古今集巻二)

これやこの行くも帰るも別れては
しるもしらぬもあふ坂の関     蝉丸

百人一首 11~20

わたの原八十島(やそしま)かけてこぎ出でぬと
人には告げよ海人(あま)のつり舟     参議篁

天つ風雲のかよひ路吹きとぢよ
をとめの姿しばしとどめむ     僧正遍昭

筑波嶺のみねより落つるみなの川
こひぞつもりて淵となりぬる     陽成院

みちのくのしのぶもぢずりたれ故に
乱れそめにしわれならなくに     河原左大臣

君がため春の野に出でて若菜つむ
わが衣手に雪は降りつつ     光孝天皇

たち別れいなばの山の峰に生ふる
まつとしきかば今帰り来む     中納言行平

ちはやぶる神代もきかず竜田川
からくれなゐに水くくるとは     在原業平朝臣

住之江の岸による波よるさへや
夢の通ひ路人目よくらむ     藤原敏行朝臣

難波潟みじかき蘆の節の間も
あはでこの世をすぐしてよとや     伊勢

わびぬれば今はたおなじ難波なる
みをつくしても逢はむとぞ思ふ     元良親王

百人一首 21~30

今来むといひしばかりに長月の
有明の月を待ち出でつるかな     素性法師

吹くからに秋の草木のしをるれば
むべ山風をあらしといふらむ     文屋康秀

月見ればちぢにものこそ悲しけれ
わが身一つの秋にはあらねど     大江千里

このたびは幣(ぬさ)もとりあへず手向山
紅葉の錦神のまにまに     菅原道真

名にし負はば逢坂山のさねかづら
人に知られでくるよしもがな     三条右大臣

小倉山峰のもみぢ葉こころあらば
今ひとたびのみゆき待たなむ     貞信公

みかの原わきて流るるいづみ川
いつみきとてか恋しかるらむ     中納言兼輔

山里はふゆぞさびしさまさりける
人目も草もかれぬと思へば     源宗于朝臣

心あてに折らばや折らむ初霜の
おきまどはせる白菊の花     凡河内躬恒

有明のつれなく見えし別れより
暁ばかり憂きものはなし     壬生忠岑

百人一首 31~40

朝ぼらけ有明の月と見るまでに
吉野の里にふれる白雪     坂上是則

山川に風のかけたるしがらみは
流れもあへぬ紅葉なりけり     春道列樹

久方の光のどけき春の日に
しづごころなく花の散るらむ     紀友則

たれをかも知る人にせむ高砂の
松も昔の友ならなくに     藤原興風

人はいさ心も知らずふるさとは
花も昔の香ににほひける     紀貫之

夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを
雲のいづこに月宿るらむ     清原深養父

しらつゆに風の吹きしく秋の野は
つらぬきとめぬ玉ぞ散りける     文屋朝康

忘らるる身をば思はずちかひてし
人の命のをしくもあるかな     右近

浅茅生(あさぢふ)の小野の篠原しのぶれど
あまりてなどか人の恋しき     参議等

しのぶれど色に出でにけりわが恋は
ものや思ふと人の問ふまで     平兼盛

百人一首 41~50

恋すてふわが名はまだき立ちにけり
人知れずこそ思ひそめしか     壬生忠見

契りきなかたみに袖をしぼりつつ
末の松山浪越さじとは     清原元輔

あひみての後のこころにくらぶれば
昔は物を思はざりけり     権中納言敦忠

逢ふことのたえてしなくはなかなかに
人をも身をもうらみざらまし     中納言朝忠

あはれともいふべき人は思ほえで
身のいたづらになりぬべきかな     謙徳公

由良の門を渡る舟人かぢを絶え     曾禰好忠
行方も知らぬ恋のみちかな

八重葎(やえむぐら)しげれる宿のさびしきに
人こそ見えね秋は来にけり     恵慶法師

風をいたみ岩うつ波のおのれのみ
くだけてものを思ふころかな     源重之

みかきもり衛士のたく火の夜はもえ
昼は消えつつものをこそ思へ     大中臣能宣

君がため惜しからざりし命さへ
長くもがなと思ひけるかな     藤原義孝

歌童サイト内 検索フォーム
カテゴリ
カテゴリ別記事一覧
株主優待券