独楽吟 全五十二首 橘曙覧
独楽吟(どくらくぎん) 橘曙覧(たちばなのあけみ)
1. たのしみは艸(くさ)のいほりの筵(むしろ)敷きひとりこころを静めをるとき
2. たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起こすも知らで寝しとき
3. たのしみは珍(めづら)しき書(ふみ)人にかり始め一ひらひろげたる時
4. たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外に能)(よ)くかけし時
5. たのしみは百日(ももか)ひねれど成らぬ歌のふとおもしろく出(い)できぬるとき
6. たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時
7. たのしみは物をかかせて善(よ)き値(あたい)惜(をし)みげもなく人のくれし時
8. たのしみは空暖かにうち晴れし春秋(はるあき)の日に出(い)でありく時
9. たのしみは朝起きいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時
10.たのしみは心にうかぶはかなごと思ひつづけて煙艸(たばこ)すふとき
1. たのしみは艸(くさ)のいほりの筵(むしろ)敷きひとりこころを静めをるとき
2. たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起こすも知らで寝しとき
3. たのしみは珍(めづら)しき書(ふみ)人にかり始め一ひらひろげたる時
4. たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外に能)(よ)くかけし時
5. たのしみは百日(ももか)ひねれど成らぬ歌のふとおもしろく出(い)できぬるとき
6. たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時
7. たのしみは物をかかせて善(よ)き値(あたい)惜(をし)みげもなく人のくれし時
8. たのしみは空暖かにうち晴れし春秋(はるあき)の日に出(い)でありく時
9. たのしみは朝起きいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時
10.たのしみは心にうかぶはかなごと思ひつづけて煙艸(たばこ)すふとき