<> 「たのしみは 春夏秋冬季語に逢ひ 詩歌管絃游びゐるとき」 @歌童 行く春

【春の俳句 行く春】

 行く春


梅ひとつひらいてをりぬ鳶のこゑ梅の花

紅梅の芽に掛かりたる柔毛(にこげ)かな

雪解けの枝にきてをり小鳥はも

まつすぐに石蓴(あをさ)のうへを舫ひ綱

冴返る蒼天マスト林立し

ヨーヨーや春の波涛へ投げては引きヨーヨー

入学児鴉のあくび見てをりぬ

かさなつて子豚眠れる花曇

三月や入りて鶏舎の薄暗き

頭(づ)にたんぽぽの綿載せて雀なり

童手をひらく土筆の束に鍵

春愁や土手に家鴨と吹かれ立ちアヒル

さす傘の中ひとめぐり蝶去りき

鳴きごゑは駅梁(うつばり)に初つばめ

捨てられしソファーに雨のお雛様

釣り竿のしなひて切れし糸暮春

ゆく春を素足が跳んでゐる渚渚






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