<> 「たのしみは 春夏秋冬季語に逢ひ 詩歌管絃游びゐるとき」 @歌童 秋

「猿の腰掛(さるのこしかけ)・猿茸(ましらたけ)」は、俳句歳時記の季語「秋・三秋」です。

「猿の腰掛(さるのこしかけ)」はサルノコシカケ科の茸の総称で、一般の茸と違い多年生。木質・卓状・半円形、猿が腰掛けるに好都合な形をしているのが、名の由来です。

では、俳句です。

こしかけて山びこのゐし猿茸       飯田蛇笏

猿の腰掛羽黒の宿の大部屋に       皆川盤水

日は山をはなれて遊ぶ猿茸       古舘曹人

猿の腰掛け
       

「紅茸(べにたけ)」は、俳句歳時記の季語「秋・三秋」です。

「紅茸(べにたけ)」は有毒茸で、主に山林に見られます。傘が紅色~暗紅色なので、見分けがつきます。

では、俳句です。

紅茸や美しきものと見て過る       几董

紅茸を怖れてわれを怖れずや       西東三鬼

疲れゐて雨の紅茸傘で刺す       加藤楸邨

星影や紅茸を踏み消したれば       永田耕衣

ベニタケ

「月夜茸(つきよたけ)」は、俳句歳時記の季語「秋・三秋」です。

「月夜茸(つきよたけ)」は猛毒の茸で、ブナの木などの朽木に生えます。夜発光し悪臭があるので、判別できます。

では、俳句です。

月夜茸持てば女の身は細り       加藤楸邨

月夜茸光らねば雲魔のごとし       加藤知世子

戸を開けて音の出てゆく月夜茸       桂信子

狼のおくる山路や月夜茸       中勘助

オオカミ 狼

「毒茸(どくたけ・どくきのこ)」は、俳句歳時記の季語「秋・三秋」です。

毒性があって食べられない茸が、「毒茸(どくたけ・どくきのこ)」。天狗茸・月夜茸・笑い茸・紅茸などが有名ですよね。茸採りの名人にならない限り、判別はとても難しいと言われます。

では、俳句です。

食へぬ茸光り獣の道せまし       西東三鬼

踏みつけて弾力ありし毒菌(きのこ)     右城暮石

ここ越えし翁のこゑの笑ひ茸       森澄雄

テングダケ 天狗茸




「舞茸(まいたけ)」は、俳句歳時記の季語「秋・仲秋」、「岩茸(いわたけ)」は、「秋・三秋」です。

「舞茸(まいたけ)」はサルノコシカケ科で、深い山の水楢・栗などの根に生えます。とても美味しいので、これを見つけた人は踊り上がって喜ぶとのことで、名になりました。

「岩茸(いわたけ)」は地衣類で、茸ではありません。山の崖などに自生していて、命綱を体に巻きよじ登って採取します。危険な作業ですから、高値で取引されます。

では、俳句です。

舞茸をひつぱり出せば籠は空(か)ら       中田みづほ

舞茸の舞はねば消ゆる月の前       石寒太


岩茸とる滴りしげき命綱       加藤知世子

岩茸を鉱泉宿の土間に売る       皆川盤水

マイタケ 舞茸飯


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