<> 「たのしみは 春夏秋冬季語に逢ひ 詩歌管絃游びゐるとき」 @歌童 寺田寅彦

寺田寅彦俳句集1

枯野行けば道連れは影法師かな

菜の花や東(あづま)へ下る白拍子

大(おほい)なる栗一つ飛んで失せにけり

山賊の煙草くゆらす夜長かな

木菟(みみづく)の赤い頭巾をかぶりたる


日当りや手桶の蜆(しじみ)舌を吐く

雨の家鴨(あひる)柳の下につどひけり

口笛を吹くや唇そぞろ寒

人間の海鼠(なまこ)となりて冬籠る

墓守の娘に逢ひぬ冬木立

寺田寅彦俳句集2

しばし待て今足袋はくところなり

何もなき壁や霜夜の影法師

夕凪の草に寐に来る蜻蛉(とんぼ)かな

縁に干す蝙蝠傘や赤蜻蛉

野良犬がついて来るなり墓参り


鴫(しぎ)飛んで路(みち)夕陽の村に入る

蓼(たで)の穂の風や鶉(うづら)の夜明顔

野分やんで波を見に出る浜辺哉

蟷螂(たうらう)の乱を好むにしもあらず

足の出る夜着の裾より初嵐

寺田寅彦俳句集3

そぞろ寒鶏(とり)の骨打つ台所

曼珠沙華二三本馬頭観世音

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